正式に入り口から未来に向かおうか / ジャニオタ文芸部第1回『チケット』

ある人はその郵便物が届いた時に冷蔵庫にキャベツがあるか確認しに行くと言った。なんでもキャベツが冷蔵庫に入っていれば郵便物の中身は良いもので、なければ悪いものであるらしい。

またある人はブロマイドに向かって拝むと言った。神様お願いします。どうかこの子の近くで、と。

 

その郵便物を私の祖母は「空色の封筒」と言った。あれはちょうど1年前のことで、松竹座で行われるクリスマスコンサートの当落後のことだった。勝手に祖母の住所を借りて申し込んだあと、祖母から電話がきた。折り返しかけると私宛の郵便が届いていることを教えてくれた。お礼を言って封筒の色を聞くと「ちょっと待って確認するから・・・空色の封筒ね」と言った。空色。まるで空から届いた贈り物のようでとても嬉しかった。一週間後に祖母の家まで取りに行くと、今までで一番ステージに近い席が印字されたチケットが入っていた。

 

空色の封筒に入った特別な、私だけのチケット。もう何十枚手元にあるか分からない。ピンクブルーグリーン。私はいつも封筒を開けて一瞬だけ祈る。目をぎゅっとつぶって、どうか良い席でありますようにと願って宛先と共に綴られたチケットを見る。それが叶ったことは、片手で数えられるほどしかないのだけれど。

 

そういえば、例のファンミーティングのときもチケット制だったことを思い出した。当選メールと身分証を入り口で見せると、ランダムでブロックと座席の書かれたチケットが手渡される。まさか手渡されたときにそれが特別なものになるなんて、思いもしなかったのに。

自分の座席番号が自分の好きなアイドルに呼ばれたとき、何を言われているか分からなかった。私は頭の中で学籍番号を唱えていて、とにかく早くこの時が終わればいいとすら思っていたのだから。隣の人の席を見ると、呼ばれた番号のひとつ前だった。振り返って私の座るイスに貼られた座席番号を見ると、呼ばれた番号のシールが貼ってあった。周りの人が私を見ていることが視線で分かった。ステージ上ではもう一度、この席の人いませんか?と私の座席番号を呼ぶ声がした。慌てて立ち上がった拍子に持ってきていたビニール傘が音を立てて倒れたことも、鮮明に覚えている。

 

 

チケットに印字された座席番号は私だけに与えられた特別な時間と空間だ。映画は時間と空間を強制する芸術だと何かの評論文で読んだけれど、コンサートや舞台もそうなのだろう。ただ映画と違うのは、舞台と客席に隔たりはなくて、客席の熱量がそのまま舞台上の演者に伝わること。コンサートや舞台のチケットは、ただ芸術を鑑賞するための切符ではなくて、共に作りあげるための同意書なのではないだろうか。その時にその場にいた人だけが作りあげることのできる瞬間の芸術。チケットを渡されて、彼らと私たちは約束を交わすのだ。その瞬間に。

 

Title:10クローネとパン/AKB48

 

 

ichigonokimi.hatenablog.jp

こちらの企画に参加させていただきました。ありがとうございました。

前回のお題は『担当』で散々語りつくした後だったので参加は見送りました。今回ようやく参加できて嬉しかったです。でも全然文章はうまく書けなかった…支離滅裂ですね。精進します。

緞帳の奥は暗闇じゃない

デビューしたら安泰だと思っていました。

 

私は第一線で活躍するいわゆる推されジュニアの担当をしていて、とにかく事あるごとにデビュー、デビューと言い続けてきました。この夏、ユニットを与えられて活動していた時は特に。あの時はデビューさえしてくれれば、ハコはどんな形でもいいと思ってた。今もそれは変わらず、ただ紫耀くんがデビューさえできれば、隣は誰でもいいと思っているけれど、*1どんな形でどんな手段を使ってでもいいから、デビューしてほしいって思ってました。

 

デビューしてくれれば、彼が私の前から姿を消すことはなくなる。そう思っていて。ただでさえ紫耀くんは、ふいっとどこかに行ってしまいそうなよく分からない雰囲気があるから。紫耀くんを掴まえておける-足枷をつけられるのがデビューだと思っていました。ステージの上で、ずっと踊っていてくれる。ものすごくチープな例え方をするなら羽をもぎとったら飛べなくなるでしょう?って。本気でそう思っていました。

 

けれど本当はそうじゃなかった。デビューしても、私の目の前からいなくなってしまうことはある。それは、ホームページのたった数行の文章であったり、週刊誌の数ページであったり、はたまたウェブの連載であったり。そんなことで知らされる。紙切れ一枚にハンコを押さなければ、彼はステージを降りることができる。

 

アイドルとファンはロールプレイ。そう言っている人を何人か見ました。アイドルとファンを互いに演じている。暗黙の了解で成立した、あくまで茶番であると。アイドルという虚像に理想を重ねて、実像から現実を引き算して。アイドルがそうであると同時に、ファンもまたそうで。普段の生活をこなしている自分と、アイドルを応援している自分は違うベクトルにいる。でも、普段の自分(ファン)が学校を辞めようと転職しようとアイドルには関係ないけれど、アイドルが仕事を辞めたらファンはもう、虚像に理想を重ねることはできない。あっという間にあぁこれってごっこ遊びでしかなかったんだな、って。現実に引き戻される。

 

私の目の前からいなくならないでほしい。ずっとこのまま、舞台に立っていてほしい。私の何と引き換えでもいから、ステージから降りないで。

 

紫耀くんが辞めてしまったらどうなるのかなぁと、ショーケースを拭きながら考えていて。たぶん何か月かはずっと引きずって、もしかしたら現実に支障をきたすかもしれないけど、時間が経ったらきっとすこしずつ忘れて、私はたぶん五関担になると思った。代用のできる存在ではないけれど、そう、言ってしまえば保険をかけているようなものでもあると思ったから。ぽっかりあいた穴を埋めてくれるのもまた、同じような虚像なんだろうなって。分かってしまった自分の、どうすることもできない虚しさ。いつまでも茶番を演じることでしか自分を保てない気がする。

 

緞帳の奥は暗闇じゃないし、エンドロールは走馬燈じゃない。幕が下りても、映画が終わっても私の生活は続いていく。続けていくしかない。ラストシーンはスタートラインでしかなくて、明かりがついた瞬間から私は実在の人物になる。つまらないくだらない日常に淘汰される非日常であっても、圧倒的に質量の多い日常をあくまで全うするしかない。だからこそ、たとえ儚くても-儚いからこそ非日常は日常を支えうるのだと思う。アイドルってそういう存在だ。

 

紫耀くん。どうかアイドルを辞めないで。その1枚の紙切れにずっとハンコを押して。私の目の前でなんでもない顔をして踊り続けて。あなたの今までとこれからを見届けさせて。私にはそれしかできない。

 

デビューすれば、簡単に辞めることはできなくて、自分一人で幕を下ろすことはできなくなる。でも今の紫耀くんは、それができてしまう。だから怖い。彼を繋ぎ止めておける重りをもっと背負わせたい。じゃないとどこかに行ってしまいそう。重りを背負っても何でもない顔をしてヘラヘラ笑う彼が好きだ。どうしようもない。一体どれだけこういうファンの呪詛を引き受けているんだろう。ごめんね。

 

どうしようもなく好き。知ってしまったからこそ、もう戻ることはできない。紫耀くん。私のためにずっと、ステージの上にいてね。私は私のためにしかファンをやっていられないから。私にとっての、日常のための非日常だから。

 

Title:The End / Base Ball Bear

*1:隣にいたらいいな、と思う子はいる。

ここにしかないShow Time / A.B.C-Z Early summer concert DVD感想

ようやくアリサマコンのDVDを買いました!

 

 月末発売だとどうしてもお金がなくて買えなかったんですよね…とか言って月が替わっても恐ろしいほど毎日忙しくてずるずる買わずにいたので、CDショップに行って現物見てこれは今買わなければ!とその場でAmazonで購入しました。店頭で買うより1500円くらい安いんですよね。ネットショップすごい。木曜日の夜に注文したら土曜の午前には届きました。ネットショップすごい。

 

アリサマコンは大阪2公演に参加したので代々木の公演を見るのは初めてでした!カットがすごくていきなり衣装変わってたところが2か所くらいあった*1のでそこはあれ?ってなりましたが他は大阪もほぼ変わらずだった気がします。レポしなかったから記憶でしかないですが。

 

まだ本編しか見てなくてメイキングは手つかずなのですが、とにかく見終えた時の多幸感がすごかったです。常々A.B.C-Zの事を『我が軍』と呼びたいと思っているのですが見終えたときはそれがマックスでした…強い。こんなにコンサート見て幸せだなぁって思えるものなんですね。

 

一番あぁこのグループ見てて幸せだなぁと思ったのは始まって3曲目の『A.B.C-Z LOVE』でセンステからメインステに向かって花道を歩く5人を見たときなんですけど。橋本くんを中心に4人が顔を覗き込んだり、肩に手を置きながら花道を歩くっていう…本当になんてことないシーン。それでもなんか、すごい幸せだったんですよ。橋本くんとお兄ちゃん4人って構図に弱いのかもしれないです。えび座のシャワゲが好きだったのと同じ気持ちな気がする。

 

五関さんのソロ、ちょっと1回見るのやめようかと思ったんですけど笑。心臓に悪い…五関さんのどこが好きなの?って聞かれて、ステージの上で綺麗なところってとっさに出てしまうくらいにはステージに立ってる五関さんが好きなんですけど*2ソロの間中ずっと1秒の隙もなく綺麗だったし、私この人のする表現が好きだなって思いました。かっこいいとかかわいいとか、形容詞で表すことができないというか。そもそもダンスって表現と言葉って表現は全然違うしぶっちゃけ親和性が低いと思うんですよね…それでもなんとかして言葉で表そうとするのが私のせめてもの矜持なんですけど笑。なんかでもそういう私の矜持とかどうでもよくて。言葉にしたらものすごくチープというか、下世話になっちゃう。私は物事でも人でもなんでも言葉で捕まえておきたいしその方が安心できるけど、五関さんの表現-五関さん自身のことは感覚で受け止めたいなって思うんですよね。それにそういうことが不思議とできるんですよ。ものすごく曖昧で、常に変化するような「感覚」で受け止めても、不安にならないし揺らがないし、でもきっとそれは五関さんが変化しないからなんだろうなぁって思います。向こうが変わらないことへの信頼というか。

二宮くんが一時期ずっと「変わらない進化形」って言ってて。根っこは変わらないけど、常に進化してる。「変化」と「進化」って似て非なるものなんですよね。五関さんを見ているとたまに頭をちらつく言葉です。1年足らずで何が分かるって何も分からないんですけど。分からないなりにそう思うんですよ。

 

とかいう面倒くさい論は置いといて。男の人が脱いでるのすごい苦手なんですけど五関さんって肩から腕の筋肉すっごい綺麗じゃないですか…二の腕のあたりとか。脱ぐとすごいムキムキなんですよ?!紫耀くんよりは太くないですけど笑。今月の雑誌で肩の筋肉を撮影されてましたがあの辺も綺麗ですよね…インナー脱げって言われたんだか思ったんだか(言われたんでしたっけ?)忘れちゃいましたがありがとうございます本当に。

なんか脱いでると語弊を生むというか笑。ジャニーズのアイドルが脱ぐとそこにもう1つファクターが加わる感ありますよね。向こうはファンが喜ぶと思って脱いでくれてるんだろうし、だからこっちは歓声をあげなきゃいけないっていう。ノブリスオブリージュと歌舞伎の大向うみたいな。でも今回のはだける演出は何かまた違うなぁと思って。ファンが喜ぶからやってるんじゃないですもんねあれ。だからかな。ただ様式美がすさまじいだけなのかもしれないですけど。

 

実際大阪城ホのときはスタンド一桁列と最後列っていう天と地くらい乖離のある席に1公演ずつ入ったんですが、天井席から見てても照明まで気を配って見ることはできないので、映像になるとそういうところまで見れて楽しいなぁって思いました。やっぱりメンバーカラー良いですよね。スタンドのときはメインステ寄りのでバクステとか本当に見えなかったし天井席もバクステを真横から見るくらいの席だったので生着替えとかずっとLOVEはこんな感じだったのか!って思うくらいでした。話戻ってしまうんですがはだける演出も正面から見てないので(サマパラは正面でしたが)なるほどなぁと笑。メインステ寄りから見るとむしろ胸なんですよね見えるの。それはそれでおいしかったのかもしれないですけど。

 

MCが全部入ってるの嬉しかったんですけど話してる内容がくだらなさすぎて!好きしかないですね本当に!告知がなかったのもあると思いますが五関さんがソファー返品した話(しかもそれが河合くんによって語られる)とか誰得だよレベルの話ですよ。オタクだから好きしかないし河合くんありがとうなんですけど笑。商品としてパッケージされるのにソファー買って返品した話っていうところがすごい。

 

Legendよりもパッケージ化されてまとまりがある構成だなぁと思いました。Legendはそれこそ塚田落としとか笑。とっちらかってる部分がなきにしもあらずでしたが、割と王道にコンサートの構成をしつつ各々のソロとかジュニアの見せ場とかも組み込まれてて(なんと言ってもDARKNESSが収まってる)河合くんすごいなって。あと5Doorが実際コンサートで見たときより収まってるなって思いました。コンサートで見た時はなんか急にフライング入ったね?!って思ったんですけど、映像だからなのかなぁ…違和感があんまりなかったです。5 Doorは装置の中でもけっこう好きです。

 

ほとんど五関さんのことしか書いてないような気がしますが笑。メイキング見たら確実にこじらせることは分かってるので感想は本編だけにします!11月は個人的に暇だからSGSBも買って見ようかなーって思ってたんですけど全然暇じゃなくてむしろ毎日数字追いかける仕事してて追いつめられてるので笑。家ではちょこちょこ流して元気貰おうと思いました。忙しければ忙しいほどアイドルの摂取量が増えるし現場も無理やり詰め込んでしまうのは何故なんでしょう。あーでもジャニワ2回は見れそうなんで!がんばります!

 

Title:A.B.C-Z LOVE / A.B.C-Z

*1:おそらくジュニアコーナーだと思われる

*2:またそこ?って感じで苦笑されましたが

きっといつかこの道に戻るよ / 嵐『Japonism』感想

嵐のコンサート『Japonism』に行ってきました。

 

自分の名義も更新をせずに切らしてしまって、アルバムも買わずにいて、あーもう完全に降りてるんだなと思って過ごしていたら数日前に学校のお友達が急遽同行者が行けなくなってしまったから一緒にどう?と誘ってくれました。その日はバイトがあったのですが社員さんと20分電話で格闘してなんとかシフトを交代することができました。それが1週間前のことです。

 

レポ等はたくさん流れていますし、私も今回はメモを取っていなかったので割愛しますが、この2点だけ書こうと思います。降りたからこそ見えるものだと思うので、どうか嵐の担当をされている方の目に触れても降りてるのに入りやがってとか、思ってもそっと心のうちに秘めておいてください…お手柔らかにお願いします。以下ネタバレ含みますのでご注意ください。

 

まず1点。コンサートのテーマについてです。

今回のテーマは「原点回帰」です。アルバム『Japonism』というタイトルはずばりそのも日本や、直訳すると(造語ですが)「日本らしさ」のことです。アルバム楽曲も尺八の音などが入ったいわゆる和のテイストの曲があったり、JALや観光立国ナビゲーターやゆくゆくはオリンピックなど、まさしく「日本を背負った」嵐が今リリースするのも納得のアルバムでした。私はアルバムを聴いて、あー着物とかきて和風の演出するのかなぁとか、あわよくばライバク*1みたいな演出があればなぁと思っていました。

蓋を開けたら、『原点回帰』は『ジャニーズの伝統踏襲』になっていました。

話は2015年1月21日に遡ります。この日、松本潤くんは帝国劇場で新春ジャニーズワールドを観劇し、青山劇場でプレイゾーンを観劇していました。マチソワで現場ハシゴってオタクかよ。そんなことも言われていましたが、とにかく当日のTwitter松潤がジャニワとプレゾン観に来ただと?!と騒然としたものです。私もなんで見学来たんだろうとは思っていましたが、自担が潤くんの目に触れたわ~挨拶ちゃんとしたかなぁくらいの軽いノリでした*2その後5月に滝沢歌舞伎の見学もしています。

その見学をしたジャニワとプレゾンと歌舞伎。まさしくそれが『Japonism』に繋がっていたのです。

どんな演出がそうなのか、分かりやすいのは5人のソロだと思います。

  • 相葉ソロ『Mr.FUNK』→ジャニワ布フライング
  • 松本ソロ『Don't you love me?』
  • 二宮ソロ『MUSIC』→タップダンス
  • 大野ソロ『暁』→滝沢歌舞伎変面
  • 櫻井ソロ『Rolling days』→ジャニワ(ガムシャラ)ファンカッション

松本ソロは私にはSASUKEに見えたんですけどね…二宮ソロタップダンスは過去プレゾンでやってるみたいですが恐らく音ゲーから来た演出かと。顕著なのは相葉・大野・櫻井のソロだと思います。これ、帝劇で見たやつだっ…!と思いました。翔くんがソロでスネア出してきたときはチーム者?!ってなったからまだ私はEXシアターから帰ってこれてない。

ソロの演出が特に顕著ではありますが、他にも『マスカレード』や『日本よいとこ摩訶不思議』の演出でプレゾンっぽさを感じたり、歴代のジャニーズアイドルのコスプレをしたジュニアが踊ったりととにかく「ジャニーズの伝統」を演出に取り入れているのが随所に見られました。

また、潤くんはものすごく要約すると挨拶で「原点回帰した結果ジャニーズの伝統文化に行きついた」と話していました。オープニングの映像で嵐から私たち観客に『今をどう生きる?』と問いかけられるのですが、潤くんは「今をどう生きるか問いかけたライブで、今の積み重ねが日本の文化、ジャニーズだと思うし、ジャニーズの歴史のなかで僕ら嵐だったり、僕ら嵐と皆さんの関係だったりがこれだと思う。自分たちだけが作った道ではなく、先輩たちが切り開いた道で、そのバトンを誰に渡すか、ということを最近すごく強く思います」と話していました。

 

「日本らしさ」から「日本の伝統」を追い求めた結果行きついたのが「ジャニーズの伝統」で、そこへ回帰した。私はすごく自然なことだなぁと思います。12歳から人生の半分以上をジャニーズ事務所で過ごした潤くんにとって一番身近な伝統ってきっと「ジャニーズ」なんですよね。MC(『日本よいとこ摩訶不思議』の前)でジャニーズも50年の伝統があって~という話をちらっとしていましたが、潤くんー嵐が継承する伝統は「ジャニーズの伝統」の一端なんですよ。で、「ジャニーズの伝統」が継承されて今に続いているのが、ジャニワだったり歌舞伎だったり(終わってしまいましたが)プレゾンだったりするわけです。ジャニワは特にありとあらゆるジャニーズ舞台*3の凝縮版ですから、私が『Japonism』を観てあぁジャニワみたいだなって思ったのは至極当然だったというか。まぁ私がジャニワ好きなのもありますけど笑。

 

潤くんはジャニーズの伝統を継承していきたいと思ってるんだなーというのはすごく伝わったのですが、嵐のコンサートって内輪だけで完結しないところがミソだなと思って。つまりものすごく雑に言うと「世間にジャニワが知られるのでは?」ってことなんですよ…!めっちゃ画期的じゃないですか。あの13月を探して帝劇に閉じこもっている狭い世界が嵐の力によって対外コンテンツになるんですよ。有楽町から世界に発信されるんですよ。正しくはジャニワが知られるんじゃなくてあの世界観というかザ・ジャニーズの演出が知られるってことなんですけど。それ考えると潤くんがしたことってものすごいことなのでは、と思いますね。

私は楽しめる人だけ楽しめればいいのでは派なので、ありとあらゆる人にジャニワって(ジャニーズって)すごいでしょ?!って言って回りたいとか認識してもらいたいとかは思わないです。でもそもそもジャニワの存在を知らない人だったり、嵐のコンサートに来るような偉い人が触れる機会ができたってことが嬉しい。機会すら与えられなかったらそれで完結してしまうので。あの箱庭感が好きって気持ちも分かる(私もそう思うところはある)んですが、選択肢を増やすきっかけであったり、仕事を増やすきっかけであったり、そういう役目をひとつ買ってくれてるのが嬉しいなと思います。ジャニーズってこんなことやってるんだって思って偉い人が帝劇に来てくれたらジュニアの仕事増えるかもしれないじゃないですかっていう…まぁこれはめちゃくちゃジュニア担的なアレなんですけど笑。ある意味潤くんの考える「バトンをつなぐこと」でもあると思いますしね。

「バトンを誰につないでいくか」きっとこれはワク学でJUMPと仕事をしたりする中で考えるようになったんだと思います。私としては今回ジュニアにプレゾンに出ていたTravis Japanをつけてくれたところから一歩踏み出してるなと思ったんですけど。先輩が切り開いた道を後輩につなげていくために自分たちも道を作っていくっていうのは、嵐も伝統の担い手なんだなと思えてすごく好きなところです。翔くんが何年も前によく言っていたパイオニア(先駆者)はなにも翔くんだけのことではなくて、5人ともそうなんですよね。その嵐が切り開いた道を歩いてる後輩が今はたくさんいて。本当に嵐ってかっこいいなぁと。

 

 

2点目はすごく個人的な話です。降りてからはじめて行ったコンサートで、終わってから私いますごい紫耀くんの担当してる実感ある!って思いました。この記事色んな人の目に触れると思うので書きますと笑。私は3年前に7年間担当した二宮くんからジュニアの平野紫耀くんに降りた経緯があります。で、なんでそう思ったかっていうと、帰宅してから録画した少年倶楽部を見たら紫耀くんがめちゃくちゃかっこよかったから!ただそれだけですね笑。なんかしみじみ紫耀くんってかっこいいしかわいいし、私すごい紫耀くんのこと好きだな…って思ったんですよ。紫耀くんがいつか、5年後でも10年後でも、ドームをいっぱいにして、そのとき私はその場所-ドームでペンライト振ってたいなって思って。紫耀くんがドームでコンサートするまで見ていたい。いちばん近くで。そう思える人に、紫耀くんに出逢えたことは幸せですね。紫耀くんの担当になれてよかったです。たぶん、降りてなければ『Japonism』をこんな視点から見ることもなくて。紫耀くんが色んな場所(ジャニワとか)に連れて行ってくれたからこそこうやって見ることができたんですよ。それも含めて、紫耀くんの担当をやっている今が楽しいし、今を「平野紫耀くんの担当として」生きることになんの迷いもないです!

 

 

『Japonism』できれば本当にいろんな人に、特にジュニアとA.B.C-Zのファンに見てもらいたいです。なんでえびって彼らがジャニワもプレゾンも歌舞伎(革命)もSHOCKも経験して『ジャニーズ伝説』(舞台)をやったから有識者がたくさんいそうって理由なんですけど。嵐だけ通ってきた人とそれらを通ってる人では絶対に視点が違うと思うんですよ。それがすごく面白いところだと思うし知りたいので本当にたくさんの人に見てもらいたいです。DVD出たら貸すので知り合いのジュニア担やえび担は言ってくださいね!笑

ツアーは年末まで続くとのことで、ある人はドラマ撮ってるしある人はニュースやってるしある人は相葉ジャパンやってるので笑。怪我には気を付けて最後まで楽しんでください!最後にひとつ、潤くん本当にありがとう。

 

 

Title:僕らがつないでいく / 嵐

*1:RIGHT BACK TO YOU アルバム『いざッ,Now』収録。コンサート披露時は和装で刀を使っていた。

*2:その話はその後出ていないため挨拶等はなかったと思われる。

*3:DREAM BOYやSHOCKなど

担当というフィルター

担当、というのはフィルターだなと思います。担当するということはフィルターをかけること。少なくとも私の中では。

 

私は平野紫耀くんの担当をしています。今年の夏あたりからずっと、五関さんの担当になるかどうかで悩んでいました。ファンミに行って、ファウストに行って、一旦解決されたかと思ったその問題。えび座に行ったことでまた浮上しました。担当というのはいかに重たいものか。ファンミのあとに友人と6時間ほど電話をして話したこともありました。ひと夏の思い出ですが。

 

結局、五関さんの担当になることはできませんでした。降りる訳ではなく、掛け持ちになるかならないかで悩んでいたのですが、気持ちの上では担当をすることはできないと結論付けました。金銭的には掛け持ちしてることに変わりはないのでCDやDVDやコンサートや舞台にはお金を払ってますが。*1これはけっこう痛いですけどね…お金が貯まらない。でも自分が見たくてお金払ってるだけなのでそれはそれです。

 

タイトルの話に戻りますが、担当とはフィルターをかけることだと思います。フィルター。私は紫耀くんに『私の考えた最強の自担』というフィルターをかけて見ています。それは紫耀くんがテレビや雑誌でする言動だったり、私が実際に現場で見て思ったことだったり、パブリックイメージとは少し違う、私から見た紫耀くんのイメージがフィルターとなって、実際の(生身の)紫耀くんに重なっています。それを通して見ている。私が考えたものだから、フィルターは常に私の理想で、紫耀くんはいつも私の理想のアイドルに見える。

 

紫耀くんのことを好きになったときは、まだ彼のことをよく知らなくて、パブリックイメージである『天然』や『ちょっとおバカ』といったところに目が行っていました。だけど、少しずつ彼を見て知っていくうちに、私の中の「平野紫耀像」が少しずつ変わっていきました。仕事に対する姿勢や、先輩や仲間に対する態度。ただ天然なだけじゃない部分に気が付くうちに、どんどんフィルターができあがっていきました。半年の時間をかけてできあがったフィルターは、つまり私の理想でした。紫耀くんなら、このフィルターをかけてもいいんじゃないか。そう思って私は、紫耀くんをフィルターをかけて見る=担当になることを決めました。

 

『私の考えた最強の自担』は、常に私が見たいと思ったものを見せてくれるし、私がほしいと思った答えをくれます。だって私がそういうフィルター(色眼鏡)で見てるから。理想と違った部分は私のフィルターを修正しておけばいい話なんです。そうすれば私が傷つくことはない。

少し話は逸れますが、私は紫耀くんの提示してくる表現を信頼していて。どんな形(ダンスなり言葉なり演技なり歌なり)でも表現をすることは尊いことだと思うんですけど、紫耀くんの表現は私が想像する以上のものを提示してきてくれます。私が思いもつかないところから、本当に優しくて賢くなければできないような形で表現してくれます。私はそんな紫耀くんの「表現」を信頼してます。もし、生身の「平野紫耀」になにかマイナスイメージになるようなできごと-たとえば熱愛報道だとか-が起こったとしても、紫耀くんの提示してくる「表現」は何も変わりません。だからきっと、裏切られたとか思わないんですよ。だって最初から『私の考えた最強の自担』フィルターに組み込まれていないから。

 

すごくずるいことだと思います。生身そのままを受け取ることを拒否して、勝手に理想を押し付けて見ているから。でもアイドルって『偶像』なんですよ。はじめから想像上のものでしかない。物体(肉体)で代用できないのに像がつくられて崇拝されるものなんです。だからある意味では正しいのかもしれないなと思います。あくまで個人的に、ですが。

それでもフィルターをかけることって、基盤である本人を信頼しているっていう前提がなくちゃできないと思うんですよね。紫耀くんは自分自身で理想とするところのアイドル像を持ってる子だなと思います。そのアイドル像の中で表現をしているというか。私たちの前に現れるときは常に、紫耀くん自身が理想のアイドルを体現してる。私はそんな紫耀くんを信頼しているし、だからこそフィルターをかけることができているんだと思います。

 

ではフィルターをかけることができなかった人、つまり五関さんは私の中でどう位置づけられるのか。もうはっきり明言してしまいますが『リア恋枠』です。リア恋、ではなくてあくまで枠なのがポイントなんですけどって書かれたところでって話ですね。五関さんに関してはもう、出会ってしまった感がすごいので。色々ありましたけど(主にファンミ)あったことを差し引いても、限りなく好きなタイプなんですよ。五関さん「みたいな人」が。見た目も性格(これはパブリックイメージです)も本当に好みなだけなんですよ五関さんが。だからぶっちゃけ一般の方で五関さん「みたいな人」がいれば普通に恋愛感情持ちます。「アイドルとして」の五関さんが好きって気持ちももちろんあって、それはそれで別に持ち合わせてはいるんですが、それよりもリア恋枠であることが勝ってしまうんですね。五関さん「みたいな人」と付き合いたい…どこで出会えますか…

ちなみにフィルターをかけられないと生身の物体そのまま受け取ることになるので良くも悪くもダイレクトに衝撃をくらいます。好きって思ったらそのまま感情受け取ることになって好きすぎて臓器が痛い(物理的なやつ)ってなるし、ちょっとこういうとこ好きじゃない…って思ったら修正がきかないからへこむ。今のところ好きじゃないとこに出会ってないのでずっと臓器痛めてるだけなんですけどね。現場の前後は胃が痛いです。

 

 

とりとめのない話になってしまいましたが、これが私の担当論です。紫耀くんは私にとって理想の、完璧なアイドルです。書いてて思ったんですが彼自身がアイドル像を持っててさらに私がアイドル像を重ねてる(2重になってる)ってちょっと面白いなと思いました。どんだけ分厚い層の下に彼の素の部分があるのか謎すぎる。私は舞台から降りたら1ミリも興味がなくなる(プライベートはどうでもいい)タイプなので素であろうがなかろうがどっちでもいいんですけど、どこに本心を隠しているのかは興味ありますね。言葉にしないからなおさらです。それを探ろうとするのもまた好きでいて楽しいところなんですけどね!お粗末様でした。

*1:それでも紫耀くんがジュニアでCDやDVDを出さない分少ないとは思ってる

できればゆっくり僕たちは恋したい / ABC座2015感想

ABC座2015に行ってきました!サマパラぶりのジャニーズでした!行く前は9000円…高いな…と思ってましたが見終わったらえっ?これが9000円で観れていいんですか?!ってくらい内容てんこ盛り!盛りだくさん!な舞台でとっても楽しめました!私はやっぱりA.B.C-Zが、五関さんが好きなんだなぁと改めて思う機会になりました。1幕のお芝居と2幕の曲目のネタバレに触れていますのでこれから観劇する人は気を付けてください!

 

1幕は錦織一清さんが演出のお芝居『サンズ・オブ・ザ・マッシュルーム』2幕はジャニーさん監修のショータイム『We Love A.B.C-Z』で2部構成になっています。開演時刻に幕が上がると、白い衣装(ジャケットの裾にふわふわのチュールがついててバレリーナかと思った)を着た5人がステージの中央に現れます。そこで『Smiling Again』を歌うところから舞台がスタート。歌い終わると5人が横並びに立ち、河合くんから「悲しいお知らせがあります。僕たちA.B.C-Zは1幕には出演しません!」と言われます。1幕の主演はあくまで(A.B.C-Z扮する)バンド『プラネッツ』なわけです。一通り定型文を話し終わるとジュニアの子が通路から登場し、お芝居が始まります。

1幕のあらすじはA.B.C-Z扮する売れないバンド『プラネッツ』が現代から1966年にタイムスリップして成功を収め、人気絶頂期にフミト(サターン)とリョウスケ(マーキュリー)が喧嘩をし、バンドの結束がバラバラに。マーキュリーは猫を助けた拍子に帰らぬ人となってしまいます。そこで仲間の大切さに気付いたフミト、ショウタ(マーズ)、コウイチ(ジュピター)、リョウイチ(メイチン)と助けられた猫のラムが神様に願うことでリョウスケは再び4人(と1匹)の前に姿を現します。現代に戻った5人はまた5人でバンドとして活動することになりハッピーエンド。といった感じ。あらすじ書いてたら五郎さんの存在がなきものになってしまった…大事です五郎さんの存在。

錦織さんの演出なのでまぁ観たことがある人は分かると思うんですけど、あんな感じです!ざっくり!ただ当て書きなのでキャラクターはほぼ5人に忠実。セリフが多い(ナレーションセリフもある)ので他のジャニーズ舞台より分かりやすいかもしれないです。ドリボとかは説明がなさすぎて鉛の板云々のくだりとか伝わってなかったりするもんね…あとはとにかく小ネタが多いんですがその辺は詳しい人に聞いてください~って感じで私は全然気づきませんでした!東大に文化などないとかいうセリフは含みあるなぁとは思いましたが。個人的に口上のシーンが好きです。決めポーズ完全にセーラームーン

1966年とピンポイントで書いているのはビートルズの来日した年だからです。約50年前なのでお客さんもその年をリアルタイムで生きていた人はほぼいないと思うんですけど、だいたい親の世代になるんですかね。私は20歳ですけど父親が予備校サボって武道館行ったって言ってたのでモロ親の世代です。その時代のネタもたくさん盛り込まれています。五関さんは映像の中で『ザ・ピーナッツ』のコスプレをしてます。映像って双眼鏡構えてると見逃しますよね。

最近になって若い子のバンドでもグループサウンドをやるバンドが増えてきていて、普段からバンド聴くのでどの楽曲も違和感なくうわ~好きだな~!って感じでした。特に好きなのは『恋のドラキュラガール』です。あれストライクゾーンど真ん中でした。事前のワイドショーでバンドをやる(演奏する)ことが全面に推しだされていたのですが私はいやいや~演奏とか言っても1,2回でしょ?って思ってて、実際観に行ったら6回くらい演奏していたのでびっくりしました。五関さんはキーボード担当ですがほぼ右手でコード押さえてるくらいでしたね…一番簡単じゃん?!でも初心者にありがちな手首が下がってるってことがなくてフォーム?が綺麗でした。橋本くんと塚ちゃんはそれぞれギターとベースに初挑戦なのに様になっててかっこよかった!橋本くんとか売れてるバンドのボーカルギターにしか見えなかったよ!!

五関さん的な1幕の見どころはなんといっても和解のシーンの『Tommorow』ですね。ソロダンスがあります。リョウスケが死んでしまって、間違いに気づいたフミトたちが歌うシーンなのですが、五関さんだけコンテンポラリーっぽいダンスをするんですよね。一応マチソワ入って見た感じだと振り付けはある程度決まってるっぽいので即興ダンスではないんですが。その五関さんがものすごく綺麗です。ダンスが綺麗なのは知ってるわ!って言われそうですけど、いつも踊ってるようなアイドルのダンスじゃなくてどことなくバレエだったりそういう要素のあるダンスなので、とてもしなやかで様式美に沿ったようなダンスが見れます。このシーンの途中でラム(穂波さん)がセリフを言った後にリョウスケがもう1度戻ってくる(生き返る)んですが、リョウスケが出てきた瞬間にコウイチの顔がぱっと一瞬明るくなるんですよ。そういう演技の細かいところとかも本当に好きなんで…個人的な余談ですけど五関さんの演技はセリフ回しより表情の細かい変化とかが好きだなって思いました。

あと好きなシーンは日劇ウエスタンカーニバルで喧嘩するシーン!『PERIOD』を歌うシーンです。河合くんと橋本くんが対峙して、河合くんの歌声から始まるんですがすごくかっこいいです。ザ舞台といった感じの曲ですね。五関さんは「こんなはずじゃなかった」といった歌詞を歌ってます。振り付けもかっこいいしはしふみの対立がまた良いんですよね~舞台の醍醐味といった感じがします。河合くん(フミト)は分かりやすく嫌な奴の役ですが、和解のシーンのセリフとかどことなくファウストみを感じます…たぶん色んな役の引き出しからちょっとずつ出してきてできてるんだろうなと。

ラストシーンは黒タキシードの出演者が『Smiling Again』を歌います。黒タキシード。個人的に穂波さんと並ぶ五関さんの画にウッてなりました。MJでのっちと並んでたときに感じたあれと同じ感情。

 

2幕は最初がMoonlight walkerの通常版に入ってるシングルメドレーから始まったはず。コンセプトが「舞台上でワンカメをやる」というものなのでA.B.C-Zはほとんど舞台からはけません。1回だけジュニアの子がダミーになっている間にはけて着替えをしますが、他は舞台上で衣装を着替えたり水分補給をします。今まで何度も歌ってるのを見たことがある曲でも演出が面白いのでかなり新鮮です。天井からジャケットが降ってきたりとかするので。あとは小道具を使って歌う曲が多いのもあって新鮮に見えます。

多分見た人に聞いたらほとんど全員が口を揃えて言うと思うんですが私も言います。vanillaが最高。これに尽きますね!vanillaなんてジュニア時代から歌ってきた曲だし何回も見たよ!って人が大半だと思うんですけど、違うんですよ。和vanillaなんですよ。いや和vanillaってなんぞやって話なんですけど。まず曲が和風になってて琴っぽい音とかが入ったアレンジになってます。これはちょっと面白いですね。で、衣装が和服っぽい羽織に帯。袖は長くないんですが。帯がメンバーカラーで服は全員赤で柄違いです。で、で、小道具が刀!小道具が刀です!!いや~これは全面的に勝訴ですね!ジャニワとか多くのオタクの目に触れる機会に殺陣やってるんでなんとなく察してもらえるかと思いますが5人とも刀の扱いに慣れてますから。めちゃくちゃ綺麗。殺陣、というよりも刀を持って舞いながら歌うのに近いです。私もう五関さんしか見れてなかったんで他の4人とかフォーメーションとか正直見れてないんですけどもう本当に綺麗でした。1幕の間中ほとんど汗をかかなかった五関さんから汗が滴り落ちる瞬間に恋に落ちました。

『Moonlight walker』が発売直後ということでメインの曲になるのかな、と思ったらそうでもなくてびっくりしました。ただ机と椅子を出してきてそれらを使って踊るのでまた振り付けが変わってるんですよね。テレビで映らなかった振り付け見れるかなと思ったら全然振り付けが違ったという。でもこの短期間で見せ方を変えてくるA.B.C-Zのパフォーマンスに対する貪欲さめちゃくちゃかっこよくないですか…衣装はそのまま歌番組等で着ていた衣装なんですが早替えしてるのでシャツの下にTシャツを着てて、五関さんは昼では入れ忘れたのか逆立ちのときに腹チラしてたのに夜だとちゃんとTシャツをインしててガード固くなってる!って思いました。公演による気がしますね腹チラ。

あとは最早ネタ曲になりがちなAttraction!とかも安定の河五芸はいはいって感じです。10日の夜は本当にちょっと私の頭が沸いてるのかな?と錯覚する芸でしたね。二人まとめて職員室呼び出しです。私はちょっと滝に打たれて煩悩を振り払いたい。あっこの曲はそれこそ生着替えなんですけどジュニアの子が持ってる板の間に合ってなさがあれすぎてスパッツ見えてた。塚ちゃんのスパッツのアディダスのロゴが見える私の双眼鏡はやたら高性能だよ!五関さんの着替えを隠す(隠せてない)板を持ってくれてるのは七五三掛くんと原くんなんですが、七五三掛くんには神対応で原くんには塩対応な五関さん本当ぶれない。でもあの蔑まれるような絶対零度の目線で見られるなら私は原くんになりたいです。

 セットリストの順番は前後していますがソロコーナーがよかった!と思い出したので。誕生日(季節。五関さん6月なのに春扱い)順に既存曲をソロで歌っていきます。五関さんの『LET'S SING A SONG』橋本くんの『Shower Gate』河合くんと戸塚さんの『砂のグラス』塚ちゃんの『Twinkle Twinkle A.B.C-Z』で春夏秋冬です。ふみとつ砂グラだけペアなんですけど河合くん発案なら本当に思考回路がジャニオタすぎて自分すらそのコンテンツとして見てるのすごいなってなりますね…ふみとつ好きな人はたぶん無事じゃいられないんじゃないでしょうかこの砂グラ。

五関さんはLSASです!私は初演のえび座(星劇場)を見てファンになったと言っても過言ではないので、この曲が日生劇場で聴けるのが、見られるのがすごく嬉しかったです…!本当に感無量。セットリストだけは事前になんとなくツイッターで見てたのでそこで喜んではいたんですけど、ソロだって知らなかったんですよね。しかもこれからソロで歌いますって河合くんが言ったときもいやいやどうせAメロだけでしょ?って思ってたので、本当にソロで歌い切ったのにはものすごくびっくりしました。それにこの時に着てる衣装がポスターでも着ているメンバーカラーのキラキラロゼット付燕尾なんですよ!この衣装夢の国のネズミさんが着てそうですごい好きなんです。さらに小道具がステッキで、後半でジュニアから渡されて皆ステッキを手に踊るんですけど、クルクル回すのがすごく綺麗なんですよね。A.B.C-Zってキラキラの衣装を着て舞台に立つのがすっごく似合うグループだなって改めて思いました。

橋本くんのシャワゲではお兄ちゃん4人がそれぞれ違う目線で末っ子センターを見守っててすごく良かったです。小道具はドアで、2つのドアをとつご/ふみつかのペアで動かします。五関さんを双眼鏡で見てると戸塚さんが自然と視界に入ってくるんですけど、五関さんは孫を見るような目で見てるのに対して戸塚さんは完全に強火橋本担の目で見てて笑っちゃいました。

最後に大技と新曲の『Great5』で2幕は終わります。大技…5Ringsとかに比べると地味かなぁって気がしますね。曲はめちゃくちゃかっこいいです。大陸を制覇するみたいなこと歌ってるらしくて規模が広がってますね。五関さんが河合くんの腕持つところがあってラブスパイラルするのかと思ったらしなかったよね、という話を五関担の方としました。みんな同じこと思ったんじゃないですかねあそこ。でもラブスパイラルできるような高さではないんですよね~そこが地味に見えちゃうのかな。あっあとこの時の衣装が金色の布地にグループ名が英字新聞みたいにプリントされてるジャケット(中はTシャツ)なんですけど色味が色味なので取り立て屋に見えちゃってどうしたものかと。2幕冒頭の衣装も電飾が付いた衣装でかなりトンチキ極めてるんですけど最後の衣装もあれでしたね。新しい衣装も3着あるのにいつまでもウォキクラのジャケット着てるA.B.C-Zが好きだったりするんですけどね!

 

7月にずっと担当について考えていたのに結局掛け持ちにはならなくて、それでも好きだから金銭的には掛け持ちしてることに変わりはなかったんですけど、ちょっと諸々担当論とかを読んで思うところがあって。私『Tommorow』の五関さん見てあっ降りれるって思ったんですよね。降りれる、というより担当できる(=掛け持ちになる)ってことなんですけど。

私は別に代名詞として担当って使ってるわけではなくて。担当するって信頼することだと思ってて、そのうえで紫耀くんの担当を名乗ってます。ジュニア担って足元が不安定だから、担当するって信頼してないとできないんですよ。私は紫耀くんの理想とするアイドル像が好きで、それを表現してくれる紫耀くんを信頼してる。だから紫耀くんの担当をしてるんですよね。でも別に、デビューしてたら足元は不安定じゃないからそんな話いらないんですよ。デビューしてる人を担当する基準って何ですか。その答えが分からなくてまた考え込んでる。もう私五関担でえび担なんじゃないかなって思うんですけどちょっと分からないですね…元担はデビューしてる人でしたが担当してた基準はジャニーズで一番その人とその人のいるグループが好きだったからかな、とも思いますし。担当と契約を交わしてるから浮気みたいで掛け持ちは嫌!って思ってるわけでもないのでなんで今五関担じゃないのかちょっと本気で分かんなくて困惑してます。7月の迷走再び。好きですよ五関さん。それだけじゃダメなのかなぁ。

 

Title:Smiling Again/A.B.C-Z

大好きと大嫌いの間でのたうち回ってるだけ

はてなブロググループのアイドルに入ってますが今日はアイドルの話ではないです。バンドの話です。

アイドルを好きになったのとほぼ同時期にバンドにハマりました。最初は王道な入りだったのにいつのまにかサブカル系と呼ばれるテレビに出ないようなバンドを追いかけるようになってました。

高校1年生の時にクリープハイプと出会いました。フォロワーの人がこぞってつぶやくクリープハイプというバンドとはなんぞや。ツタヤで借りてきたCDを聴いた感想は「よくこんな高い声で歌えるな」そこから気に入って四六時中聞いていました。ちょうど落ちこぼれていく時期と重なって、眠れないままタイムラインを眺めてクリープハイプを聴いて夜が明けるなんてこともありました。

はじめて行ったライブは名古屋のキャパ150人のライブハウスでスリーマンでした。ライブをはじめて観て感激して、終わってから少しだけメンバーとお話しをしました。目の前にいるのがなんだか不思議でとてもドキドキしました。尾崎さんの白いシャツが浮かび上がっていてとてもきれいだったことはぼんやりと覚えてる。

待ちくたびれて朝がくる

待ちくたびれて朝がくる

 

 

ほどなくしてクリープハイプはメジャーデビューをしました。する、と発表したライブはバレンタインの日でUstream中継があって、私は中継を見ながら泣きそうになりました。そう遠くない日になるという予感めいたものはあったけれど。

メジャーデビューアルバムは春先にリリースされました。私は高校2年生になっていました。わざわざタワーレコードに出向いて買ったCDを開けたら紙の匂いがして、あぁこれは大切な1枚になる、と思いました。iPodに取り込んでからは通学路で毎日毎日聞いていました。どの曲も大好きだけれどインディーズのときよりも少し明るくて、これがメジャーなんだと思ってちょっとだけ寂しかった。

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 それからクリープハイプは瞬く間に人気の新人バンドになりました。すぐにファーストシングルのリリースが決まりました。ミュージックビデオには有名な俳優が出演してくれるし、なんだかすごいことになっていました。キャパ400人足らずのライブハウスでやる名古屋のワンマンライブは即日完売で、とても良い整理番号だったけれどとても遠くに感じました。

 

 あれは高校2年生の夏でした。ファーストシングルがリリースになる前の、名古屋で行われる大型ライブイベントにクリープハイプは出演しました。その頃にはもう大変な人気で、始まる前から満員のライブハウスでどうにかこうにか前のエリアにしがみつくようにして立っていました。

ライブが始まって気づく違和感。明らかに客層が違うのです。クリープハイプは(演奏は勿論)歌がすごく良いバンドで、端的に言うと尾崎さんの独特な歌声が生々しい歌詞を歌うことが魅力なのです。それなのにそこに集まるお客さんは、尾崎さんの歌声を書き消す声で歌い、ただ体をぶつけ合う暴力的なモッシュをしていました。単純にライブを楽しむ、というよりも騒ぎに来ていただけだったのです。

私はそれがすごく悲しくて、尾崎さんもどんどん機嫌が悪くなっていって、曲の合間のMCもキレぎみでした。でも私はそんなこともあまり覚えてなくてただ異様な熱気に気おされてどんどん位置が下がっていました。気が付いたら、メンバーが見えないほど遠くまで押し流されていました。

そこで呆然としていた時に尾崎さんが「新曲をやります」と言って歌い始めたのが『おやすみ泣き声、さよなら歌姫』でした。

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 最後の4小節君の気持ちが動く さよなら

これは私のための最後の曲だったのかもしれないと思いました。

 

それから私はクリープハイプから徐々に離れていきました。彼らはライブ会場をどんどん大きくして、ついに武道館2デイズという偉業を果たしました。風のうわさに聞いただけ。もう彼らと交わることなんてフェスくらいだと思っていました。

CDを買うのもやめて、やめたところでテレビでバンバン流れるのだから表題曲くらいは聴くに困らなかったけれど、そのくらいの関心でいた今年の夏。たまたまTシャツを持っているバンドがクリープハイプしかなくて、それを着てフェスに行きました。雨の降る中でライブを見て、感情が1ミリも動かされなかった。この日も変なお客さんのせいで尾崎さんは機嫌が悪かったけれど、お客さんの相手をしてしまった尾崎さんもよくなかったと思ったし、本当に1曲も心を動かされなくて、あぁもう本当に終わったのかもしれないなぁと思いました。新曲をやります、と言って歌いだした曲も、耳を通り抜けるばかりでした。

 

それから1ヵ月と少したって、私は妹の付き添いで大阪へライブ遠征をしました。出演者の中にクリープハイプの名前はあったけれど、お目当ては別のバンドでした。たまたまお目当てのバンドの次がクリープハイプで、私はフロアの一番後ろから休憩がてら見ようと思っていました。

1曲目に演奏された曲は『イノチミジカシコイセヨオトメ』2曲目は『手と手』3曲目は『愛の標識』でした。1曲目のイントロをが流れ出したとき、思わずえっ、と声を出しました。ワンマンライブ以外でやることのない曲だからです。まさか、と思いました。

このイベントは特殊な記念で、スペースシャワー*1が主催して毎年行われているツアーの15周年記念イベントでした。クリープハイプはメジャーデビューした2012年に出演しています。この3曲はメジャーデビュー作のアルバムの1~3曲目にあたる曲で、つまり彼らは、当時の曲を今、演奏していたのです。

私が一番クリープハイプを追いかけていた時期の曲を、今のクリープハイプが演奏している。大好きだったけど長らく聴いていなかった曲たちでした。2曲目のイントロがかかったときも、3曲目のイントロがかかったときも、会場で1番驚いていたのは私ではないかと思うほどで、思わず声を上げていました。隣で見ていた妹に「今日のセトリやばい!!」と話しかけてしまうくらいには興奮していました。まさかもう1度聴くことができるなんて。聴きながらいろんなことを思い出しました。『愛の標識』の銘菓が採用されて嬉しかったな、とか。本当に些細なことだけど私にとっては大事な思い出が、どんどん溢れてきました。

さすがに当時の曲ばかり演奏することはできないので、4曲目は去年リリースされた曲『エロ』が演奏されました。しかしここでアクシデントが起きます。尾崎さんのマイクが壊れて、歌声を拾わなくなってしまったんです。私は声が途切れた時、尾崎さんに何かあったんじゃないかとまず思いました。歌声は聞こえないのに続く演奏。演奏が止まらないのであぁこれは機材の故障だ、と逆に思うことができたのだと思います。マイクが壊れたのは1番のサビのあたりからだったと思うのですが、そこからマイクは音を拾ったりまた拾わなくなったり、とムラがあるようでした。

そこで気づいたのが、前の方にいるファンの人たちが歌ってるな、ということでした。別に歌詞がスクリーンに出ているわけでもないのに。

だってだってだってだってそれなら

どうせ最後はこうなるんだから

今出来ることをしよう もうコレしかないし

正直、歌詞が分からないことがもどかしかった。私は2014年にはもう、彼らの曲を聴かなくなっていました。数回ミュージックビデオを見た程度では覚えられるわけがない。それでもなんとか、伝わっていることを伝えたかった。

慌ててスタッフさんがマイクを交換しに来たこともあり、なんとか持ち直した次の曲は『おやすみ泣き声、さよなら歌姫』でした。イントロがかかった瞬間、ぶわっと記憶がフラッシュバックしてきました。それはあの夏、私がもう無理だと思うきっかけになったライブ。ライブハウスの構造も、キャパも、私が立っていた位置も、あの当時に酷似していて、余計に感情がうずを巻きはじめました。

歌い始めてすぐ、マイクがまた声を拾わなくなりました。でも、この曲は違う。私は、この曲を歌詞を見なくても歌うことができる。あの時の私はクリープハイプが大好きで、はじめてのシングルが嬉しくて、何度再生したか分からないくらい聴いていたのだから。

さよなら歌姫 アンコールはどうする 君の事だからきっとないね

それなら歌姫 アルコールはどうする 僕は全然飲めないけど

サビではもうマイクは交換されて、尾崎さんの歌声が聞こえるようになっていたけれど、それでも私は歌うことがやめられなかった。隣に妹がいなかったら、立ってられないくらい泣いていたと思います。

 

尾崎さんはライブ中に何も言わなかったけれど、終わった後にツイッターにこんなツイートが投稿されていました。

 尾崎さんは、お客さんが合唱することを露骨に嫌がる人です。それはあの夏から今も変わらない。『HE IS MINE』や『社会の窓』の”歌ってもいい部分”なら違うけれど。その尾崎さんが、本人のツイートではないにしろ「ありがとうございました」と投稿している。私はつきものが落ちたような気持ちでした。私の中の、あの夏のライブに囚われた感情が全部すっと消えたようでした。

私は結局勝手にもう無理だと思って、勝手に諦めて、勝手に離れていっただけなんだと思います。人気が出る、ということは、私と同じように彼ら自身を、彼らの曲を大事に大切に思ってくれる人だけが増えるわけではありません。その場(ライブ)が楽しければいい、と思う人もいます。私だって、よく知らないけどライブが楽しいからいいと思ってるバンドもいます。それと同じ。いわゆる「にわか」が増える。その「にわか」が増えたことに私は耐えられなかった。私の大事にしたものをいとも簡単に壊して奪っていく人たちと共存していくことはできませんでした。だから私は、思い出として鍵をかけて自分の中だけに留めておこうとしたんだと思います。でもクリープハイプは過去ではありません。現在進行形で活動しているバンドです。記憶の中だけの存在じゃない。

 

あれからずっとクリープハイプのことを考えています。普段なら紫耀くんのことを考えてるのに、あのライブが忘れられなくて頭の中で何度も思い出してしまいます。好き。単純に、ただそれだけなんだと思います。私はクリープハイプが好きで、嫌いになんてなれるわけなくて、ずっと好きだったのにその気持ちに蓋をしていただけだったんだなって。クリープハイプも、クリープハイプについてきたファンも、あの夏と同じではありません。だったら何も悲観することなんてなくて、じゃあ私もまた聴くようになれば、ライブに足を運ぶようになればいいんじゃないかな。別に勝手に聴かなくなってライブに行かなくなっただけなんだから、誰の許可がいるわけじゃないけど。アイドルじゃないから出戻り宣言するまでもないんですけどね本当は。それでもこれがある種私の出戻り宣言です。

 

今日妹が新譜を買ってきてくれました。『リバーシブルー』フェスで聴いて心が動かされなかった曲。蝶々、という単語がやけに印象に残っていました。

リバーシブルー

リバーシブルー

 

 

いつも会いたくない会いたくない会いたくない

そんな気持ちとは真逆の気持ち

 

嫌いって言ったって結局ここに帰ってくるし、会いたくないって言ったって本当は会いたい。捻くれてねじ曲がった素直になれない歌詞が好きで、私のことを歌ってるって思っていました。高校生のときから、これっぽっちも変わってなかったみたい。今も捻くれたまんまだよ。馬鹿みたいだな。っていうか馬鹿だな。

 

Title : ウワノソラ/クリープハイプ

*1:テレビ局